東京高等裁判所 昭和26年(う)4574号 判決
刑法第二三四条に、いわゆる業務とは継続して従事する仕事と考えられるものでなければならない。そうして、ここに継続すると云わんがためには、継続して行う意思の下に為されるものたることを要するのであるから、仕事の性質上継続して行うことのできないようなものは、右法条にいわゆる業務の観念に属しないといわなくてはならない。従つて、或る団体の結成式というがごとき行事は、右法条にいう業務ということはできない。しかるに、原判決は、判示第一として被告人金一顕に対し、判示第三として被告人金炳喆、同金起年、同具本殖、同姜渭士に対し、夫々大韓民国居留民団橫芝支部および大韓民国青年団橫芝支部の各結成式の挙行をいずれも威力を用いて妨害したと判示し、これに対し刑法第二三四条を適用して右各被告人を処断したのであるが、結成式の挙行というがごときものを以て判示各団体の業務とするわけにはいかないので、右各被告人がたとえ威力を用いてこれを妨害したとしても、これに対し右法条を適用して右各被告人を処断することは、とうてい許されないところである。原判決の措置たるや、まさに、法の運用の域を逸脱し、法なき所に法を作るものといわなくてはならない。従つて論旨第一点は理由あるものというべく、原判決はこの点において破棄を免れない。